このレビューはネタバレを含みます
佐藤健演じる死の近い青年が、世界から何かを消す代わりに一日寿命を延ばすという取引を行う物語。
何かを消すたびにそれにまつわる人間関係まで失っていく、その発想がおもしろいファンタジー色の強いドラマ。
タイトルがかなりキャッチー。美しい健とかわいい葵ちゃんがおがめる点も良かった。
しかし作品全体の雰囲気、色使い、キャラクター、セリフ等がなかなか辛気くさい。おしゃれさとか、儚さとか、切なさをあざとく演出しているように見える。
たぶん好きな人にはヒットしそうな作風であるし、逆に鼻につくように感じる人もいるかもしれない。
前半は良かったが、後半かなり間延びした感じを受けた。
最後もなんか自分で勝手に納得した感じなのがなぁ。実際自分が死ぬ前と死んだ後で世界に変化なんてあるわけがないし、自分の生きた意味だとか、生きた証だとか、そんなのも単なる後付けであって、そうでも思わないと自分の死が受け入れられないだけだと思う。
自分の生きた意味とかにこだわるのって生物のなかで人間だけなので、むしろそのように考えることは傲慢ではないかと思う。
大抵の生き物はただ生きるために生きて死んでくだけ。人間もそれだけで十分なんじゃないのかなと私は思う。