かりんとー

ベルファスト71のかりんとーのレビュー・感想・評価

ベルファスト71(2014年製作の映画)
4.1
かの有名な血の日曜日事件の前夜
-これはもはや避けられぬ現代の縮図なのだ-
1971年北アイルランドのベルファストが舞台になっているが、今の時代の縮図として民族紛争や宗教上の対立がダイレクトに描かれている
この頃のベルファストは治安が悪く、IRA対イギリス軍、カトリック対プロテスタント、そしてアイルランド独立派とイギリス人も対立していて全ての人が誰かと対立している状況でした。四面楚歌っすよヤバイっす。
そーんな周りが敵か味方もわからない状態で、主人公フックは迷子になっちゃった〜〜!さてどうしよう。銃を奪って行ったギャング一味のガキには命を狙われてるし他に行く当てもねえ、、
そんな所へ
"ヘイ兄さん!迷子なん?兵隊なん?オラ兵隊大好きなんだ!オラが匿ってやるよ、フォロミー!"
と、チビ。
チビについて行ったのが全ての始まりだった....
知らない人にはついて行っちゃダメって、教わらなかったのかいフックくん?
フックには故郷に幼い最愛の弟がいて、弟とそのチビを重ねていたのだろう。あのシーンでは涙ぐんだ。

良心で人を助けてもそれによって自分の命が危ぶんだり、一言二言で相手を敵に回してしまい取り返しのつかない事になる。軍も市民を守るのではなく市民と対立をし、武力で治めようとするなど決して許されない事。
縮図であると言っているが、全ての問題が本当に現代そのものであるように思えた。
深いストーリー構成ではなく単純にそのリアルが描かれていて映画としてとても観やすく理解しやすかった
ただちょっと人物が複雑な構造になっていて、途中こんがらがったったららー
適度な緊迫感と臨場感、アクションも良い
音の使い方も結構好きな感じだった
無音になり視界が錯乱する所。とても良かった

この翌年に血の日曜日で軍が市民を乱射した事実は、起こるべくして起こった悪夢だったと思える
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