なんて心の温まる悲劇だろう。
悲しい、切ない、でも温かい。
勤続22年、身寄りのない死者の為に、心のこもったお見送りをし続けてきた民生課のジョン・メイ。そんな彼にも家族はおらず、仕事を生き甲斐にたった一人で生きている。
赤の他人の死を弔うことは、決して簡単に出来ることではない。しかし、ジョン・メイは、懸命にその人の人生を考え、見送った後も、その人の写真をアルバムに残す。
このアルバムは、身寄りのない死者たちの記録だけではなく、ジョン・メイ自身の人生の記録でもあると思う。
音楽も全く流れず、セリフも少なく、淡々と静かに進んでいく。だからこそ、ラストシーンの余韻は凄かったです。
ヨーロッパらしい、何とも言えない余韻を残す良い映画でした。