かすたん

デッドプールのかすたんのレビュー・感想・評価

デッドプール(2016年製作の映画)
4.0
クソ最低な男の破天荒ヒーロー(ではない)アクション。人生を奪った男への復讐として、不死身のデッドプールが下品に奮闘する。

まず慣れなければならないのは、彼が第四の壁を平気で破ってくること。我々観客に対し平気で語りかけてくるくせに、本作中ではなぜそれが出来るのかを説明してくれない。こういうキャラなのだと納得するしかない、にしては強烈な設定を持っている。

さて本編だが、デッドプールのキャラは非常に人を選ぶだろう。とにかく下品でクソスラングがバンバン出て、正義とかヒーローとか関係なく自分の理由だけで敵を追跡する。ヒーローを志す仲間の声なんてもってのほか、ともかく彼は好き勝手。これが合わないのなら本作を視聴しきるのは難しい。
だがくだらないネタと思えたものが後半への伏線であったり、途中で挟まってくる過去編でナンセンスギャグの下敷きが説明されていたりと、これが非常に作り込まれているのだ。大作ものにありがちな上手いこと言いたい合戦と違い、それぞれがデッドプールの過去や想いを遠回しに説明しているといっても過言ではない。もちろんそのせいでギャグがつまらなかったり何を言っているのか分からかったりというマイナスも生まれておらず、ただ設定が練り込まれているが故の上質な会話と言えるだろう。とにかく脚本の上手い作品だ。

アクションはグロ表現が強めなので、前述の下品な会話と合わせ注意が必要かもしれない。慣れている人なら、単にグロいだけではなくハイセンスなグロアクションを楽しめるのでこちらもオススメできる。

この作品だけでは語り切れていない箇所もあると感じたが、続編があるとのことでそちらにも期待したい。
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