グラッデン

デッドプールのグラッデンのレビュー・感想・評価

デッドプール(2016年製作の映画)
3.9
ガン治療を名目にミュータント手術を施された主人公が、手術の副作用で変わり果てた顔を元に戻すために大暴れする物語。

鑑賞を終えて、本作はヒーロー映画の「邪道」と「王道」が入り混じった作品だと思いました。

前者については、言うまでもなくデッドプールのキャラクターが挙げることができます。個人的には「下品」というより「お喋り」なのだと思った。言い方もあるが、口が汚いヒーローは決して少なくないので、質もさることながら畳み掛けるような厚みのある言葉の数によるところがある。
また、デッドプールは、所謂「第四の壁」をガンガン殴りつけるように我々に話しかけてきます。その意味では、構造的にも型破りな映画だと言えます。ただし、冷静に考えると「俺ちゃん」と観客との心の距離感を考えた場合、コレくらい馴れ馴れしいくらいが良いかもしれないので、あるべき型なのかもしれません。何度か登場するタクシードライバーの青年がいますが、彼こそ我々観客かもしれません。

一方、本作に感じる「王道」の要素はストーリーに尽きるでしょう。復讐劇という側面はありますが、正体を隠し、愛する者のために危険を冒して戦う彼の姿は、ヒーローそのものではないかと。それが、お喋りかつ暴力的であっても。
また、最近見たアクション映画における肉弾戦がMMAを意識したゴツゴツした描写を多く見かけることが多かったので、特撮を彷彿させるアクロバティックな描写が多く出てきたのは良かったです。「超人」と書いて「ヒーロー」と読みたい人間なので血や首や手がバンバン飛んでおりましたがニヤニヤしながら見てました(汗)

暴力等の描写の好き嫌いありますが、幅広く楽しめる作品だと思います。いや、超いいやつなんですよ。ちょっと?お喋りなんですけどね(笑)