尿道流れ者

この世で俺/僕だけの尿道流れ者のレビュー・感想・評価

この世で俺/僕だけ(2014年製作の映画)
2.5
ニュース番組の今日の占い。これから仕事に行こうって時に今日の運勢は最悪とか言われて、どうすりゃいいんですか。ただ気分が悪くなるだけ。しかし、そんな占いに一喜一憂し、行動を左右されてしまう愚かな中年男性もいまして、その人こそがこの映画の主人公。そして、同じく占いに影響されてしまうヤンキーもいまして、彼も主人公。
そんな2人が占いによってもたらされた軽はずみな行動によって、最悪の事態を招くが、そこで確かな真実を掴むような、そうではないようなという映画。

ストーリー事態はまぁまぁ面白いだろうし、演技もそこそこ冴え渡っていたように思う。しかし、演出やら画面構成がとてもつまらない。サークル活動といった感じのクオリティで、音のバランスなんかも酷すぎる。今年のワーストに近い物かと思いきや、途中からなぜか引き込まれてしまう。

中盤から始まる、青春コントとも言いたくなる臭すぎる青々しさがどうしても好きな要素。もちろん演出としてはゴミみたいにつまらないし、スッカスカではあるけども。池松君が突然自らの感情を叫びに変える。そこにある青春コント的様式美がなんだかとても気に入ったし、悪くないと思ってしまった。

池松君が唯一この映画の魅力として僕にくれた青春感を頼りに少し前のめりで観るが、依然としてつまらない。笑いどころも笑えないし、感動には程遠く、アクションはスピード感と迫力に欠くどうしようもないもの。終盤にも納得はいかない。本当にただのサークル活動って感じ。

青春を体現したような(といってもコント的な作り物の臭さはあるが)池松君の立ち振る舞いはとても魅力的。しかし、それのみで、ただそれだけで結果的に良かったとも思える。確実に来月にはこの映画の存在を忘れているけど、微かにほてりは残っているかもしれない。