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脳内ポイズンベリーのodyssのレビュー・感想・評価

脳内ポイズンベリー(2015年製作の映画)
3.0
【幼い三十路女のお話】

もう少しコミカルな味の濃い映画かと思っていたのですが・・・予想とは違いました。ただし、必ずしも「うれしい誤算」ではなく。

これ、要するに三十女の「自分探し」のお話ですよね。結論も、「誰が好きかではなく、誰と一緒にいる自分が好きか」なんだから。でも、ヒロインは三十路にしちゃあ、ちょっと幼いし無責任じゃないかな。

23歳で定職のない男が女に対してまともな振るまいができない、ってのは分かります。
でも30歳の女が7歳も年下の男に恋をして、まあそこまではいいんだけど、その後のヒロインの行動を見ると、そういう年下男に対する姉さん女房的な、よくも悪くも余裕というか優位性みたいなものが感じられない。精神年齢は同じくらいじゃないかな。

編集者に対する態度もそうですよね。でも、編集者は最後近くで爆発して本音を吐く。あのシーンが、本作でいちばんまともな部分だと思いましたね。

ヒロインが心の傷をかかえているのは分かるけど、でもそういう傷は誰だって抱えているわけでね。十代の小娘ならいざ知らず、三十の女がその辺を洞察していないとすれば、イタイと言うしかない。

それから、この作品でヒロインがダメ女であるのにそう感じられないのは、何となく書いていた小説が大ヒットし映画化までされるという、職業上のシンデレラ・ストーリーだからですけど、ここのとこ、あんまりリアリティが感じられないのだな。

脳内会議では吉田羊がまくしたて過ぎ。バランスが悪いですね。
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