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セッションのvilljobbaのレビュー・感想・評価

セッション(2014年製作の映画)
4.3
途中で寝るつもりだったのに最初の数分で目が覚めた。圧倒される。
アカデミー賞も納得の演技と、緊張感を高める演出、そして1つのことを極めるために狂う様子を見ることができる。
とにかく画面の虜になれる。リアルでドラムやってる人にはどう見えるかは知らないけど、今も吹奏楽やってる友人たちにオススメした映画だ。

ドラムの知識は無いけど楽器の経験はあって、身長146cmなのに超怖い指揮者が黒いマントをはためかせながら指揮台に上がり合奏練習を始める恐怖がよみがえってきた。
途中で冷酷に演奏を止め、特定の楽器、或いは特定の人物に「そこ吹いてみろ」と言う。自分がターゲットになった時の絶望は忘れられない。そして吹いて速攻で止められたときはチビりそうになる。こうして演奏パートを奪い合うのであった。
この映画では、これをやらかすと楽団から退場という恐怖。

この「練習でパートを奪い合うシーン」がたっぷり描かれているのが好きで、最後のセッションシーンよりむしろこっちが好み。JKシモンズ、圧倒される演技を見せてくれた。ターミネーター最新作以来2度目でコレだよ。
もちろん最後のシーンも恐ろしかった。完全不動で画面に食らいつける連打煽りとカメラワーク。最後に主人公が伝説となったように見える演出、イイネ。
ドラムはズルいよね。この映画のようにBGMで叩いてるだけでも視聴者を煽れるんだから。

彼女のシーンは本筋と関わりないけど大事なシーンだなぁと感じる。自分から誘っておいて自分から突き放すという、相手の気持ちを全く考えられていない行為。その後文字通り血の滲む努力を始める。
本気になるならやっぱりここまでしないとね。

gleeで有名なメリッサブノワが可愛いからちょっとムカつく選択だけど、最後ハッピー展開じゃなかったので良し(なってたら星3.5くらいだった)。
来年だかにドラマ版スーパーガールを演じるのでソッチで堪能することにします。
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