うーぽん

セッションのうーぽんのネタバレレビュー・内容・結末

セッション(2014年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

物凄い映画。
すべてはラストシーンのためにあった。

フレッチャーの鬼教師ぶりは観ているこちら側まで泣きそうになるくらいで。
例えばフレッチャーがレッスン室に入ってきた瞬間、それまで思い思いに音出ししていたのがシーンとなって一斉に直立不動で俯く。その緊張感が肌にビシビシ突き刺さってくる。
そして、椅子を投げつける。ビンタ。暴言。これでもかと繰り出されるフレッチャーのパワハラは止まらない。

対するニーマンは必死で食らいつき、文字通り血が飛び散るほどの練習を繰り返す。
潰れちゃうんじゃないかとハラハラするが、だんだんと言動がフレッチャーに似てくるような気もして圧倒される。

まさに、狂気。
ふたりとも。

行き着いた先は、ラストの演奏シーン。
ニーマンがフレッチャーを呑み、ついに最高のドラムを披露する。
これまで散々鬱積してきたからこそ、このカタルシスは堪らない。
ふたりが交わした目線。フレッチャーの笑み。
それがすべてを物語る。
うーぽん

うーぽん