山中潤一official

セッションの山中潤一officialのレビュー・感想・評価

セッション(2014年製作の映画)
4.3
サイコパスな教師。

邦題はまあ仕方ないのかなって思うけれど、原題のウィップラッシュの方が好きかも。

密告したのお前だろって言うのはもう純粋からかけ離れてる。

怒りという感情が
音楽を良くするのは間違いないけれど
その根底には刹那的なファイトと
永続的な信頼関係という現代とはかけ離れた常識がエンタメには芸術には存在している。

到底肯定出来るような態度は1ミリもこのハゲ頭には無いが、
チャーリーパーカーの大ファンで、人が覚醒し対等でいてくれる強固な信頼関係が好きなだけで、それを推し量るツールとして音楽というかジャズを使っているだけ。

人が音をつくることを知らないただのオナニーファッキンくそ野郎です。

そんなやつと向き合って目を覚まさせたかったアンドリューは優し過ぎるが、
そんなことも悟られたくなく、

ただただ悔しくその悔しさは
ハゲに応えられない自身というわけでもなく

たまたま目の前にいるハゲと
同じ高みを見ていて
その高みが見えているのに
呼応しない身体と心と
怒りを焚き付けてくる口の悪い
ハゲにブレる弱い自分に悔しく

この悔しさの対象をずっと探していて
見つけたのが、ラストの舞台での「密告したのお前だろ」って言葉と知らん曲やられたフリだろうな。

あれでプッツンしたのだよ、彼は。
袖にいたお父さんとハグしたのはお父さんを安心させるためと焚き付けられた怒りを鎮め闘う心を整えるため。

闘ったのはハゲとじゃない。
今の自分のやりたい気持ちと闘った。

指揮なんて誰でも振れる
と言ったのはハゲ自身でそれは伏線。
アンドリューはハゲとラストやったわけじゃない。
アンドリューはバンドの一員としてハゲをも支配した。

この瞬間をハゲは待ち望んでたサイコパス。
俺がアンドリューならば、
ラストのキメでスティックをハゲの目に突っ込む。