こせ

セッションのこせのネタバレレビュー・内容・結末

セッション(2014年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

暗転の中、ドラムロールから始まる冒頭シーン。
主演のマイルズ・テラーが本作のドラムを実際に叩いている。一見、ドラマーの成り上がり映画を予感させるが、全く違う。

フレッチャーが上着を脱いだのは作中で2回。恐らくどちらも気合いが入っているというニュアンスの現れ。

ニーマンがフレッチャーのバンドに入り、初顔合わせのシーン。バンドメンバーが入ってきたときの、「音」にフォーカスした編集や、メンバーたちの強者感。緊迫感が伝わる。
そして9時ピッタリにフレッチャー登場。フレッチャーの抜きで、帽子とコートを掛けるシーンが差し込まれていたり、メンバー誰もが目線すらあげられず、フレッチャーが話続けるのはキャラクターの威厳と視聴者に緊迫感を与えるためだ。

フレッチャーがニーマンに対してテンポを何度も指摘するシーンや音がずれてる人を探すシーン。ここでは凡人では分からない音楽的要素を見極められるフレッチャーの「実力」をフォーカスしてキャラクターを立てている。

フレッチャーによるショーンケイシーの死の報告の後、ドラマーに数時間ドラムを叩き続けされるストーリーがあった。まず、死因を偽り、同情を得てからドラマーに強く当たる。ここにフレッチャーの狂気さと使命感、貪欲さなんかが隠れていると感じた。そして、チャーリー・パーカーを育てる使命感に駆られていることが分かるシーンだった。

音楽祭でフレッチャーとニーマンを定点ワンカット首振りで撮影しているのは臨場感があり、珍しいカットになっていたと思う。

この映画を通して、シモンズの演技力とテラーのドラム姿はうまく対比されており、見ごたえがあった。

ラストの魂のセッションは打ち震えるものがあった。
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