りん

セッションのりんのネタバレレビュー・内容・結末

セッション(2014年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

いい感じのラストに落とし込まれてはいるけれど、正直、全然良い映画だと思えなかった。
主人公が死に物狂いで文字通り血が滲むような努力をしたり、事故にあった直後なのにポジションを取りに行こうと必死であったりするシーンは心にくる。
だが、指導者が厳しい指導と暴言やハラスメントは別物であるのに、それを全くわかっていないのは、問題だ。この人が音楽の面では優れているのは理解できるが、学生に人種差別的な暴言を繰り返したり、椅子を投げつけるなど暴力を振るったりしているのは、果たして指導なのか? 学生の演奏技術の低さに苛立ち、それを指摘したいのだとしても、演奏のテクニックとは無関係なまでの酷いハラスメントには目も当てられない。実際、自殺した学生も出しているのに、気にも留めていないし、しまいには主人公がこの人を密告したと思い込み、主人公にだけ楽譜を渡さずにステージで演奏させる。

熱血指導とハラスメントを混同しないで欲しい。
これを観ずに『響けユーフォニアム』を観ることをお勧めしたい。
りん

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