もぐ

セッションのもぐのレビュー・感想・評価

セッション(2014年製作の映画)
4.3
曲が始まる前の痛い静寂、音のない火傷しそうな空気。音楽をある程度やっていた人なら経験したことがある筈!それをまさか映像で体験出来るなんて!

新年一本目の映画は、ずっと観たかったセッション。観たかったわりに後回しなっていたのですが、ララランドが数ヶ月後に控えているので、チャゼル監督予習してみました。

期待しまくっての鑑賞でしたが、それでも期待を越える素晴らしい映画でした。捲し立てるような後半の数分!観客の反応が無いまま演奏で完結し、エンドロールへと続く流れ!痺れました!!!

音楽に純粋にひたむきだった彼が、フレッチャーの指導の中であらゆるものを犠牲にして少しずつ少しずつおかしくなっていく。そして最後の演奏では、フレッチャーの狂気をアンドリューの狂気が飲み込む。本当に鳥肌が立ちました。

厳しいのは期待からかな、育ててくれてるんだな、なんて序盤に思ってた自分がバカみたい!そんな綺麗なものじゃなく完全にアンドリューのこと潰そうとしてくるフレッチャー怖すぎでしょ〜〜笑 自分の求める演奏を邪魔するやつは、彼の人生には必要ないんでしょう。怖い人!

とはいえフレッチャーもきっとここで描かれなかった彼の過去の中で、音楽に対する純粋すぎる心が曲げられて、曲がって、ここまできてしまったのでしょう。人の人生を変える程の魅力が、音楽にはあるんですよね。根は音楽が好きで好きでしょうがなくて、だからこそ何度も潰そうとしたアンドリューだけど彼の最高の演奏に嬉しくなったのかな。あの無音の言葉はきっとtwo wordsですよね!ラストは完全に二人だけの(狂った)世界。

映画館で観ておけば良かったーーー( ; ; )映像も綺麗でカットもテンポ良く、後悔する程に余韻を味わえる映画でした!
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