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セッションのnyonyoのネタバレレビュー・内容・結末

セッション(2014年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

★あらすじ★
名門音大に入学したドラムスの青年は、名のある音楽家教師のジャズバンドへスカウトされる。だが、そこでのレッスンは差別用語で罵倒され、楽器を投げつけられる軍隊のような厳しいものだった。
青年はドラムの主奏者となったものの、その位置もいつ他と代わられるかわからない。精神的にも肉体的にも追い詰められる中、青年はコンクール当日に交通事故にあってしまう。結果演奏を途中でストップさせてしまう事態になり、青年は大学を中退させられる。だが、青年の密告によって教師も大学を辞めさせられた。
しかし、二人はとあるバーで再開する。青年に、チャーリーパーカーのような偉大な音楽家を育てるためには必要な指導だったと教師は語る。教師は今指揮をとっているジャズバンドコンサートのヘルプに青年を誘う。
コンサート当日、予定と違う曲を急遽演奏させられることになる青年。教師が密告を恨んでの復讐だったのだ。
しかし二曲目、青年はドラムで先をとり暗譜している「キャラバン」を演奏しだす。まわりもそれに合わせ演奏し終えたが、青年の独奏は続く。
教師もそれに指揮を出し、ドラムと指揮者のみの演奏となり、幕を閉じる。

★感想★
まず最初に驚いたのは、教師のレッスンがフルメタルジャケットみたいだったこと。サーイエッサー!って言いそうになる。アメリカでの厳しい指導は、皆あんな下ネタなのか。
次に驚いたのは、事故に遭っても車から這い出て血塗れで演奏した主人公。ガッツが凄すぎる。この時点でもう天才だよ。
そして最後の驚きは、結局コンサートがどうでもよくなってしまったおじいちゃん。復讐のためなら自身のバンドのコンサートがめっちゃくちゃになっても構わないという精神。音楽に熱い人なのかと思いきや、全然違った!ただのワガママじいさんだった!という驚き。
でも彼も、老いる前は我情に走らずきちんと音楽家を育てると言うことも考えていたのかもしれないとも思う。ただ老いてしまい、自身の感情だけが大切になってしまったのか。
だが、そんな彼の我情まで、最後に揺さぶれる主人公凄い。最終的には観客やステージを忘れて指揮に没頭させていたもの。
主人公が勝手にドラムを演奏しだしたときは、やれ!やってしまえ!ととてもスカっとした。
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