吉田晋之介

セッションの吉田晋之介のレビュー・感想・評価

セッション(2014年製作の映画)
4.0
面白かった。
ただ、たまたまこのセッションはうまくいってよかったね、という感想でもある。

あんなに威圧的指導で罵倒されまくったら指導される方は萎縮してしまって視野が極端に狭くなってしまうだろう。頭の中がドラムのことよりも教官のことでいっぱいになってしまう。だから大切なバチを置き忘れる。だから事故を起こしてしまう。目的が転倒してしまった。
そして逆上・爆発。鬱。
自殺にまで至らなかったのが不幸中の幸い。

その逆境を音楽で乗り越えた先に、教官ですら想像できなかったセッションが生まれた。
良いものは受け入れざるをえない、貪欲で感性に素直な教官にもしびれる。
主人公と教官の人生のセッション。
両者の目的は達成され、そこに最高のジャズが現れた。
吉田晋之介

吉田晋之介