まる

セッションのまるのネタバレレビュー・内容・結末

セッション(2014年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

人を病に追い込んだ挙句、死に至らしめた人間が、ジャズの未来を憂う。
大勢の子供の人格を破壊して使命感に燃える。
彼にとってはジャズの将来の方が人の生よりも大切らしい。

ニーマンはこの人でなしの大人について行ったせいで交通事故を起こし、学校を退学になり、恋人をなくした。
それなのに、再会したあとにまた一緒にバンドをしようというのである。

どれだけ最後の演奏が素晴らしかったとしても、私はそれを否定したい。
主人公2人の狂気によって作られたものだからだ。
ニーマンはドラッグを使用して早世した偉人に憧れるのだという。
ドラッグも人を狂気に追い込む手段であり、それを肯定している時点でフレッチャーと彼は同種である。
ブラック企業のような指導で、それに感化された若者の手で生み出された産物は否定されるべきである。
でないと、憧れて同じ手段に続くものが後を絶たない、今のアメリカの現状か。
そのような理由から、私はラストの演奏を素晴らしいとする意見を否定したい。
出来不出来の話ではない。
それを生み出すために主人公を含めた、たくさんの人が犠牲になっているからです。

人の狂気を否定するか肯定するか?そのような題材の話だと感じた。
劇中でまともな意見を言うなぁ、と感じたのは、一緒に食事をしていた親戚の若者かな。
私に色々なことを考えさせてくれた、という点でいい作品だと思う。

胸糞悪い内容だけど、
最後にジャズはいいね、という良い気分で話が終わってよかったです。
まる

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