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アイアン・ソルジャーのFrengersのレビュー・感想・評価

アイアン・ソルジャー(2014年製作の映画)
2.7
陸軍兵の女性を通して、社会的な成功と、母親/女性としての幸せの葛藤を描こうとする本作は、現代の流れからすれば当然作られるべき作品。その主人公を演じたミシェル・モナハンは称賛されるべき演技を見せている。髪を解くシーンは兵士/母親の二つの顔を象徴する場面だった。
 しかし、残念ながら画が一辺倒。人間ドラマを優先したがゆえに、人の動きや環境が全く見えてこないし、限られた場所ーー家、職場、彼の車屋が大半を占めるにも拘わらず画をみせる工夫が少なすぎるし、カメラも人物に近すぎる。時折挿入される主人公の回想やトラウマは説得力を帯びず、映像の連なりを断絶し、子供との親交の深まりや親族との関係性を唐突なものに変えてしまった印象。

本作を見るとキャスリン・ビグローのアメリカでの影響は絶大だったのかもと考えさせられる。
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