パンケーキレンズ

神様なんかくそくらえのパンケーキレンズのレビュー・感想・評価

神様なんかくそくらえ(2014年製作の映画)
3.5
自分が人生で一番愛した男、について

冨田勲さんをはじめとする鮮烈な音楽が映像と相まって、脳天直撃・・・

全くの素人の女の子が、いきなり自伝映画を主演するってだけで、最初は変に「冷めた」目で観てしまってたんですけど、そんな気持ちもオープニングの素晴らしさで吹き飛び、ホラーよりもある意味ホラーなこのオープニングクレジットの臨場感にまずビックリ♪

思い、衝動、失望、その全て・・・
ドラッグにまみれた日常の中で、「自分がこの世に存在する意味」を掴み取ろうとする、衝撃の映画

程よく距離を置くカメラ

遠くから構えて望遠で撮ってるのが一目で分かる
カメラと彼らの間を
車とか大きなトラックとか通行人が横切っていく
その「普通の現実」の向こうに展開される
彼らの歪んだ日常

彼女に全く共感はできんし
彼女も改めるべきことは一杯ある
でも
この映画が、「言い訳」でもなければ
「それでも私は元気です」系のありがちな映画でないところに好感を覚えた

愛する男の為なら、なんでもできる

愛する男となら、どんな地獄でも生きていける

愛する男が傍にいれば、どんな今でも輝いて見える

それの究極の形

花火がパーンって上がる瞬間が、それを物凄く象徴していて、一番好きなシーンになった♪

監督のサフディ兄弟が、別の映画でNYの町を調査中にたまたま出会ったのが主演の子、よくよく話を聞けば「ホームレスかいな!」ってことで彼女に自伝を書くことを依頼し、映画化となった運びらしですけど、数ある「中毒映画」の中でも、自分を演じてるリアリティってのが、この映画の個性

刺さりました…