アロユニ

アバター:ウェイ・オブ・ウォーターのアロユニのレビュー・感想・評価

4.0

これから2年に一度の"パンドラ旅行"が定番になりそう。


13年前のあの劇場体験を思い出す。いやそれ以上。さらなる映像革新は、もはや"リアル"とはまた違う次元の何か。

「映画を観た」というより、「パンドラに行ってきた」というのが正解とさえ思える。圧倒的映像の連続に興奮を隠しきれない3時間だった。


パンドラの自然や生物たちの描写も去ることながら、ナヴィやアバターの表情の豊かさに驚いた。前作のそれを遥かに上回るクオリティで、俳優オリジナルの演技をことごとく表現できている。

「サノスなんて大したことない」とも聞こえる発言を残したキャメロン監督の自信、あながち間違ってない。


「目的より手段が先行している」といえばマイナスに聞こえるが、この作品に限っては、その手段こそ目的なのかもしれない。

パンドラを"体感"させること。それで充分と納得させられるだけの映像体験が約束されている、なんとも稀有な作品。


アクション面も大きく進化。規模こそ前作に及ばずとも、アバターvsアバターは見もの。正直このシリーズは避けるだろうと思っていた人体欠損描写も僅かに存在。この程度のハードさなら緊迫感あっていいかも。


ストーリーは前作に続き単純明快。クオリッチの復讐がメインで、後は今後のための伏線投下。中盤は若干グダる。

環境問題への警鐘も漏れなく。あの捕鯨シーンは嫌悪感満載で露骨な描写だった。


クオリッチの復活と、彼が前作のジェイクをなぞっていく展開は、王道故に高まる。

役者の契約情報からすでに『5』までの出演が確定しているクオリッチなので、彼のクズっぷりをしばらく楽しんでいこう。まさかの寝返りもなくはない…?


彼よりネイティリが闇堕ちしないか心配である。どこまでいっても彼女だけはネイティブのナヴィ族。ジェイクを含むスカイピープルへの憎悪がどこかで爆発する鬱展開も覚悟しておこう。


キリも重要なキャラクターになっていきそう。グレースがエイワの正体に触れ、なんらかの同化を果たしているとしたら…いろんな推察ができる。

シガニー・ウィーバーの名優ぶりも再確認できた。グレースとしての登場シーン、グッときた。


次の舞台は砂漠か、空か、宇宙か。ナヴィの地球来訪もあり得る。なんとかキャメロンの構想通り、このパンドラ神話を描き切れるまで制作が続くことを祈るばかり。
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