キミシマユウキ

グッドナイト・マミーのキミシマユウキのレビュー・感想・評価

グッドナイト・マミー(2014年製作の映画)
3.8
森とトウモロコシ畑に囲まれた片田舎の別荘にて、双子の少年は母の帰りを待っていた。しかし帰ってきた母親はどこかいつもと違い……


オーストリア産サイコスリラー映画。
数々の映画祭で話題になりアカデミー外国語映画賞にエントリーするオーストリア代表作品に選ばれたとかなんとか。
普段全く劇場で見るジャンルではないが、"氷のホラークイーン"ことゆにゃ氏さんのお誘いで3人で鑑賞。

い、いつものママじゃない……
僕等のママを返せっッ(>人<)

これは映画館で見てよかった。
平均点3.4に抑えておくのにはもったいない。
慣れないジャンルということもあり、久しぶりにかなり緊張しながら鑑賞したのだが、集中していないと見逃す部分も多い。
なぜならこの作品は説明的描写がほとんど皆無で
何故母親は包帯を巻いているのか?
双子の父親は?
などなんの説明もなく、少ないセリフと情景だけで判断しなくてはならないからだ。
しかし後半になってくると段々と分かってくる謎や展開、なるほどなるほど。
そこはご自身の目で確かめてもらおう。
映像もグロテスクと美しさが上手くバランスをとっていたと思った。
オーストリア片田舎のじっとりとした蒸し暑さと雄大な自然もとても上手く伝えていたし、グロさは作り物じゃない本物感が伝わるやりすぎない仕様に好感が持てた。

キャストはもちろん誰も知らない。
ただ双子の子役達の自然な演技は素晴らしい。
顔も可愛い彼らが戯れているのを見るだけで2時間はいけそうなくらい……(犯罪者の目)
役名と役者の名前が同じだったことから実名を使って自然に演じさせたのかな?
母親役もとてもいい。
彼女の役柄はネタバレになるのであえて言及しないが、脱ぐシーンで意外とイイ身体してるので

(♡´艸`)ウホッッ

となれた。この緊張感漂う映画で唯一のオアシスだ。

放りっぱなしの伏線や腑に落ちない点は多々あるもののそこは雰囲気を楽しむべきなのだろう。
知名度も低く低予算で出演者も数人程度しかいないが、よく考えられたストーリーとスリル。
この緊張感を味わいたいなら是非劇場へ。

※ちなみにジャケットのゴキブリはそこまでメインじゃないので苦手な人も安心してください。

ホラー&スリラー映画好き、オーストリア作品に興味がある人、双子の美少年がイチャコラしてる映画が見たい人にはオススメの作品