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グッドナイト・マミーのpippoのネタバレレビュー・内容・結末

グッドナイト・マミー(2014年製作の映画)
1.4

このレビューはネタバレを含みます

これ想像ネタばかりです。中にはハッキリとネタばらしあるし、未見で読むと、かなり作品の?な部分の面白さを損なうのでお気をつけください。


母親はオーストリアのテレビ番組の司会者でそこそこ有名人(これは日本語吹き替え版でセリフにあり)。
旦那とは離婚協議中かもしくは離婚が成立している。別荘が売りに出されてるとこや、(多分親からの)電話で現実的な問題と向き合っていかなきゃならないと日本語吹き替え版で会話しているところから、旦那は奥さんよりも収入があったと推定でき、奥さんの仕事から推測するに多分テレビ関係者、プロデューサーかなにかだと思う。
旦那は奥さんよりも魅力的な女が近くにいて、そのことと、息子の事故でちょっと精神を病んで、ヒステリックにもなった奥さんに愛想を尽かして、別荘として使用していた豪邸を奥さんに財産分与し、自分は(多分)都会で暮らしている。想像も含まれるけど、壁の家族写真やアルバムから旦那の写真が無くなっていることと、旦那を「あの人」と呼ぶことから、修復困難な冷えた関係に陥っていることが窺える。
母親は双子の片方(ルーカス)を水難事故で失ったが、そのことを認められない双子の片割れはいつまでもルーカスが生きて、傍にいつもいると思いこんでいる。
だから片割れはいつもルーカスに話しかけるんだけど、母親は事故のショックから立ち直るまでの間は、ご飯を二人分用意したり、自分もルーカスがいるふりをやってあげていた。
でも、いつまで経ってもルーカスに話しかけるもんだから、母親はとうとう水もご飯も(死んだ)ルーカスの分は当然ありません。話しかけもしません、と決意し、それを息子にも言葉と態度で示すようになった。
映画はこの辺りの頃から始まってるので映画を観ている者には、母親がルーカスをハブってるように映り、ひでえー母親だなー、なんでそんなことするんだよー、と思ってしまう。
でも実はそういう話ではなくて、ルーカスの死を認めて、早く前に進み始めて欲しいと願う母親と、ルーカスの死を認めようとしない息子の話でした。
作品のあちこちに、ルーカスが死んでいることのヒントと、観客を騙すためのシーンが散りばめられている。
特に騙すシーンは、それルール違反じゃね? と思うようなシーンもある。
例えば双子の片割れがボーガンを壁に向かって試射している最中にもう片割れは矢を作っているとか、カーテンごしに二人の影が映ってるとか、歯磨きのシーンとか。それはないわー、そりゃ二人同時に行動してたり、明らかに二人とも生きてるとしか思えないだろ、みたいなシーンが他にもある。
それから母親は整形手術を受けて顔中包帯だらけで結構大変な手術だっんでは? と思ってたのに、殆ど顔が変わってないこととか、え? 整形手術じゃなかったの?ってなったり、ホクロは取ったと言ってたけど。
双子というのは、兄弟姉妹の関係よりも、さらに親密度が高いというか、同一性が高いというか、そういうところが物語のベースになってる。
母親は収入が減るから、整形手術を受けて若返りテレビ番組にも復帰して、別荘を売って、まとまったお金を手にして、何とかこれからの生活を考えていこうと、現実と向き合い、少し前向きになっていた時期だったのだろうな。
足の爪にマニキュアしたり、今度は垂れてきた胸を上げたいな、なんて次の手術を鏡を見ながら考えたり。
しかし、ホントのマミーに会いたい、コイツは偽物だという思い込みによって、むごたらしい、恐ろしいことをやらかして、母親も豪邸も無くなってしまう。
ホントに救いのない作品で、おまけに気持ちの悪い虫とか、猫の死骸とか、異常なまでに片付いて静謐な家とか、ぶよぶよした土とか、ほら穴とか、頭骸骨とか、色々出てくるものが気持ち悪くて、さらに母親の唇を瞬間接着剤でくっつけて、後になってご飯食べられないやんって気づいて、ハサミで切るとか、もう有り得んくらい気持ち悪くて、後先考えない子供の浅はかさが恐ろしい作品だった。
しかも唇から血が吹き出してるのに、表情一つ変えない子供の不気味さとか、ドン引きしたよ。
見たことを後悔したのに、色んなシーンや出来事が結びつかなくて、もう1回今度は日本語吹き替え版で飛ばし飛ばし観たんだけど、衝撃のシーンはもう観たくなくて全部飛ばした。
いやー、気持ち悪い作品でした。
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