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歩みつつ垣間見た美しい時の数々のizuのレビュー・感想・評価

4.8
何よりも美しくて、かけがえのない記憶。日々の追憶。
ジョナス・メカス監督が撮り溜め、つなぎ合わせた270分の映像。1人の人間の人生の断片がここにある。

映されるのはメカス監督の家族とその家族と過ごした幸せな日々。そして娘の成長。粗い画質と音声ながら、どこかふわっとしていて、まるで夢を見ているかのように美しく幻想的な映像の数々。
時系列順ではなくバラバラだからこそ、次から次へと切り替わるその映像に思わず見惚れてしまう。ただただ呆然と眺めてしまうし、美しい。
バラバラに散りばめられた映像達はある意味走馬灯を見ているようでもあり、1人の人間の記憶(人生)を覗き見していたようでもあった。

30年以上もの映像をよく撮り溜めたし、よくこの量の’’美しい時’’をカメラに収められたなと。
もうね、面白いとかそういう次元の話では無い。私はこの作品に低評価はつけられない。

これは映画であって、メカス自身の記憶で、メカスの人生でもある。この映像がこの世に存在する限り、メカスの人生は生き続ける。

視聴 2024年4月11日
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