海老

ボス・ベイビーの海老のレビュー・感想・評価

ボス・ベイビー(2017年製作の映画)
3.7
家族で鑑賞。
なかなかパワフルな映画でした。

ドリームワークス制作なので、一癖ある作風なんだろうなとは思っていましたが、思っていたよりストレートに楽しい。

ディズニー、ピクサー、イルミネーションの作品群と比べると、どうしても映像美は及ばないですし、この時期、家族ネタはリメンバーミーと比べられてしまいそうなものですが、まったく違う路線で、立ち位置を得た印象です。予告からしてコメディ感が多そうではありましたが、これも思っていたより激しくコメディ。

粗暴とも言えるほどのアクションと、低俗とも言えるほどのギャグの数々。潔さすら感じる勢いが強烈でした。子供たちのゲラゲラ笑う声がたびたび響いていたのは、何よりの裏付けかと。なんだかんだ僕も何度か噴き出していたのですが。
かと思いきや、小さい子なら誰しも経験のある空想、早い話が「ごっこ」の類ですが、たびたびイマジナリーな視点が風景に投影されるので、なかなか表情豊かな場面を見せてくるのには驚き。
ここも、映像の美しさというより、力強さや勢いを強める演出としての役割を感じました。

正直、ストーリーの進行や設定のガバガバ加減も凄いんですが、勢いで押し切れ!!という製作陣の雄叫びが聞こえてくるかのようで、僕は黙って観ることにしました。
突っ込んだらきりが無いくらいにアラはありますよ。でもまぁ、いいかなって。笑


本質的には、第二子が増えることで、第一子が独り占めしていた親の愛情はどうなる?というデリケートな部分を、特殊な形に変えて見せてくれている物語でもあります。その点において、主役たちがキチンと解を出してくれているし、途中の心情変化の描き方も丁寧だったので、軸がしっかりしてるならば、他が雑でも多少は…、と思えたことも背景にあります。

子を持つ身としては、コメディ部分だけでなく、親の愛情に敏感な子供への向き合い方を考えさせられる話でもあるかもしれません。
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