よしおスタンダード

海にかかる霧のよしおスタンダードのレビュー・感想・評価

海にかかる霧(2014年製作の映画)
3.1
No.2560

「殺人の追憶」で、ポン・ジュノとともに脚本を手掛けたシム・ソンボ。本作は彼の監督デビュー作で、脚本はシム監督とポン・ジュノが書いている。

つまり「殺人の追憶」と脚本陣は同じで、監督が入れかわったことになる。

実際の事件の詳細については知らずに見た。

序盤から、ケダモノのように男たちが目の色変えて女性たちに近寄っていく感じが気持ち悪いなー、生臭いなー、でも海の男なんてそんなもんなのかなーって、かなり違和感を感じつつも見進めた。

あとから思うと、中盤からかなり残酷で陰惨な展開になるので、そのバランスを取って男たちの「滑稽な面」として、女性の尻を追っかけさせてるのかな、と感じた(とはいっても、全然滑稽には映っていないから、単純に「欲望の塊」としての演出なのだと思うが・・)。

それにしても最後までしつこいくらいに男たちは美少女のホンメを「モノ」として追っかけまわしている。誰がヤったとか、ヤってないとか、正直ちょっとうんざりした。
(その、うんざり加減を起こさせるのが監督とポン・ジュノの狙いなのかもしれないけど、僕は個人的には生理的に嫌です)。

ぶっちゃけ、これじゃ「女人禁制の漁船に女性が入ってきたことが、この悲惨な事件を引き起こしたひとつの要因」と勘違いされてしまう可能性がある!

女性はまったく悪くない。あくまで男たちの問題である。