天象儀館製作、日活は配給のみ。
大和屋竺監督、荒戸源次郎主演のロマンポルノ殺し屋物語。
「荒野のダッチワイフ」「殺しの烙印」に繋がる殺し屋ダービーな物語だが、いつしか密室へと志向していく意識がむせかえる。これは恐らく、「待つ」事を描く田中陽造の脚本の特質かもしれない。人形使いの殺し屋の特異なキャラが抜群。中川梨絵がちょい役出演。ラストが粋だ。
中盤では空気銃による殺し合いというもある。延髄の一点に当てると、笑顔の状態で死に至る、というもの。ライバル殺し屋の"マリオ"の存在も含めて、とにかく不思議な映画。
非常に珍しい短銃にスコープを取り付けた狙撃シーンが見られる点で面白い。
ちょっと足りてないような女の子役で中川梨絵が出演。あれなんで出たんだろう？ 実質は安田のぞみがヒロイン。
ロマンポルノ史上でも珍しい殺し屋ものであり、日活映画の伝統を引き継ぐようで「やわ肌無宿 男殺し女殺し」の異母兄弟のような仕上がりになっている。主演・監督の荒戸源次郎は「戦国ロック 疾風の女たち」（長谷部安春）にも出演している。後の「どついたるねん」制作者。
