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草原の実験のFyohkoのネタバレレビュー・内容・結末

草原の実験(2014年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます


『草原の実験』

2015年公開のロシア映画


大草原の中にポツンと立つ一軒家で
ひっそりと暮らす父と娘

地元の調査に訪れた
ロシア人少年と出会ってから
娘の気持ちが揺れはじめる


ある日、帰宅した父の様子が
おかしいコトに気づき

その後、入院した父が
帰らぬ人となったコトで
家を出る決心をする娘だったが

たどり着いた先には
有刺鉄線が張られ
先に進むことができず

諦めて家に戻るも

思いも寄らぬコトが
待ち受けていた


という話


本作は
台詞も音楽も説明も
一切無いスタイル

広大な平原が
ひたすら広がっていて

山も森も無く
野生動物が登場するコトも無く

登場人物も
最小限しかない故に

最後のシーンの
インパクトは
計り知れない効果を
生み出している



1949年〜1990年の間に
カザフスタンの
セミパラチンスク実験場で
実施されていた
核実験場での話が
ベースになっているようで

自分達の知らない間に
自分達の居住地区が
核実験場にされていたという


普通に考えたら
ちょっと信じがたい話だが

極限まで
音を排除した演出が

微妙に変化していく
禍々しさや
不穏な空気感をヒシヒシと感じる


その中でも
透明感のある
娘の美しさが

長く続く「静」から
ラストへ向かう「動」へ
充分耐えうるというのが
感動的ですらある





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