このレビューはネタバレを含みます
『草原の実験』
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2015年公開のロシア映画
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大草原の中にポツンと立つ一軒家で
ひっそりと暮らす父と娘
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地元の調査に訪れた
ロシア人少年と出会ってから
娘の気持ちが揺れはじめる
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ある日、帰宅した父の様子が
おかしいコトに気づき
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その後、入院した父が
帰らぬ人となったコトで
家を出る決心をする娘だったが
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たどり着いた先には
有刺鉄線が張られ
先に進むことができず
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諦めて家に戻るも
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思いも寄らぬコトが
待ち受けていた
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という話
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本作は
台詞も音楽も説明も
一切無いスタイル
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広大な平原が
ひたすら広がっていて
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山も森も無く
野生動物が登場するコトも無く
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登場人物も
最小限しかない故に
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最後のシーンの
インパクトは
計り知れない効果を
生み出している
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1949年〜1990年の間に
カザフスタンの
セミパラチンスク実験場で
実施されていた
核実験場での話が
ベースになっているようで
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自分達の知らない間に
自分達の居住地区が
核実験場にされていたという
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普通に考えたら
ちょっと信じがたい話だが
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極限まで
音を排除した演出が
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微妙に変化していく
禍々しさや
不穏な空気感をヒシヒシと感じる
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その中でも
透明感のある
娘の美しさが
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長く続く「静」から
ラストへ向かう「動」へ
充分耐えうるというのが
感動的ですらある
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