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東海道四谷怪談のALABAMAのネタバレレビュー・内容・結末

東海道四谷怪談(1959年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

新東宝映画。怪談映画の巨匠、中川信夫監督作品。
幾度となく映画化された誰しもが知る怪談の初カラー作品。史上最高の四谷怪談との評判であるが、全くその通りと感じた。鮮やかな色調にイーストマンカラーの独特の褪色が何とも言えない味となって、現代ではなかなか出せない代物だろう。中川作品の挑戦的なカメラワークは毎度、とても勉強になるし、舞台装置も非常に手が込んでいる。
伊右衛門とお梅が密会する夕暮れ時のシーン。夕陽が外にあるが、これはおそらく照明で作り出した夕陽。あれほどまでに鮮やかな夕陽はまたとないだろう。今現在、鮮明になったデジタルの画で照明の夕陽や月をつくると一発でばれてしまうので、その多くは合成だが、もうあの綺麗な景色はみることができないのだろうか。結局のところ、粒子の粗いフィルムで撮る映画が1番美しいと思う。ものごとは、ちょっとよく見えないくらいが最も妖艶で美しい。
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