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ネスト/トガリネズミの巣穴の消費者のレビュー・感想・評価

3.8
・ジャンル
サイコスリラー/ドラマ/ゴア

・あらすじ
若くして母を失って以来、外の世界に恐怖を抱き生まれ育ったアパートの一室に篭りきりの生活を送る女性、モンセ
彼女は戦争で家を去ったという父の幻影に今も苦しめられながらもドレスの仕立て人をしながら妹を我が子の様に慈しみ暮らしていた
しかし彼女の抱く恐怖は父に叩き込まれた信仰と混じり合って歪な愛となり、孤独になる事を恐れ自立する年となった妹に度々体罰を加えてきたのだった
そんな彼女の元に階段から落ちて脚を骨折したという上階の住人カルロスが助けを求めてやって来る
男性に父の影を重ね恐れてきたモンセにとって彼は初めて出会う紳士的な人物だった
甲斐甲斐しく看病をする彼女にカルロスもまた信頼を抱き徐々に2人は親しくなっていく
そんな彼に対しモンセに隠れて彼女の恐ろしさや嘘を説く妹
拗れていく2人の仲とカルロスの秘密
それはやがて最悪の事態をもたらしていき…

・感想
広場恐怖症を患う女性と歳の離れた妹の姉妹と怪我を折った上階の住人の間で織りなされる陰惨な悲劇と秘められた過去を描いたスリラー作品

死してなお絶対的な存在としてモンセを苦しめ続ける父の幻影と重ねられる十字架、複数の意味が隠された題名、最後に明かされる追い討ちを掛ける様な悲しい真実
そういった救いのないドラマ性だけでも辛い内容の中、しっかりとゴア描写も見せてくれるのが珍しい印象を受ける一作だった
単純な殺害の描写ではなく遺体の隠され方などで強烈さを見せてくるのも面白く、そういった点では金田一シリーズっぽさも感じられる
それでいて風刺性が端々にあり寓話的なのもまたレトロさがあってイイ

基本的には好みな内容だったけど蓄積された過去の闇の示され方があっさりとし過ぎていたのは惜しかった
家から出られないドレスの仕立て人というモンセの人物像を考えると室内が綺麗に整えられているのは納得出来る
だからこそその裏に隠された物でもっとおぞましさを描いてくれていたら尚良かったかなぁと個人的には思った
回想や説明台詞をメインにしてしまったせいでとりあえず悲劇を詰め込んだ様な仕上がりになってしまっていたというか…

そういった部分を除けば良い意味での後味の悪さも十分だし歪な形でモンセの遺志を継ぐ妹の最後の行動まで上手くまとまっていて悲劇作品としてはなかなか良い
強いて言えばモンセの嘘や秘密、過去が露わになる過程をもっとじっくり描いて欲しいというのはあったけども
「ミザリー」や古典的な欧米のホラー/スリラー、「アンチクライスト」等の反キリスト教系作品が好きな人なら結構刺さるかも?
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