KEKEKE

ナイト・スリーパーズ ダム爆破計画のKEKEKEのレビュー・感想・評価

5.0
- いちいち画が決まっていて本当に最高だった
- がっつり2回見てしまった
- 意地悪で美しい映画だ

- ダムの計画放流のシーンから始まり、スーパーマーケットミュージックと防犯ミラーで終わるの綺麗すぎてゾクゾクする
- あらゆるパラメーターが調節されコントローラブルになった世界でも個人的な欲望は何一つ達成され得ない、無力な青年の哀愁をここまで客観的に描けるのマジで凄い

- 地球規模のイシューと自己中心的な泣き虫男ってのはよく見る構図
- セカイ系だったら2人は結ばれ地球は救われるんだろうけどこの映画はその逆で、なんもうまくいかない男が孤立してそこに死体が2つあがるだけ

- 轢かれた鹿とブレーキランプに後ろから照らされる赤とか、車に乗った3人を正面から映す後ろで鳴る爆発音、暖簾の隙間から覗く侵入者と反射するクリスタルの光、サウナの蒸気に包まれる中の絞殺みたいな、こんなシーンあったら良いなの連続
- 中盤までしっかりサスペンスしてるし、後半計画が狂い始めてからは主人公の焦心に興味が引きつけられて単純に映画として面白い

- 些細な悪戯のはずだった、ワンチャンイケるかもしれなかった、うまくいったはずだった、投げたコインが綺麗に全て裏返り、取ってつけた壮大な野望にぶら下がった安直な下心が露出する
- 寒く美しい場所で思惑に反する現実が転がる様をある青年を通して描いた
- 理想と万能感で世界は変えられないし、伝えなければ結ばれることなんてない
- フィクションが逃避であることを許さない、冷たく突き放してくるようで弱い僕らに寄り添ってくれるような不思議な作品だと思った

- 寒いとこの人たちはみんな、日常的にポケットに手を突っ込んでいてそれがすごく懐かしく愛おしかった
- ポッケに手入れて歩いてるとだらしないよって注意されるけど、あそこは手を入れるための穴だから

- 終盤の温泉のシーンから急にデヴィッドリンチっぽい(隙間から覗くシーンブルーベルベットのオマージュ?)
- 邦題とポスター、逆にこのミスリードで誰が幸せになるんだろう
- 3人ともすごく素敵な俳優だったけど、ジェシーアイゼンバーグの禁欲的な演技、これとマークザッカーバーグどっちもできんのすげー
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