みすみす

モアナと伝説の海のみすみすのレビュー・感想・評価

モアナと伝説の海(2016年製作の映画)
5.0
王子様もお姫様も出てこないこの映画は、子供受けが良くなかったのか、早々に上映が終わってしまったが、私は「アナと雪の女王」より楽しめた。

美しい環礁に囲まれたモトゥヌイ島の村長の娘、モアナは島の外の世界に憧れを抱いている。しかし、環礁の外は波が荒く、航海術を持たない島民は、環礁の外に出ることを許されていない。
ある時、平和だった島に異変が起こり、美しい花々は枯れて行き、地面も干からびてしまう。異変の原因が、女神テ・フィティの心が、神と人との子であるマウイに盗まれた事であると祖母から教えられたモアナは、その心をテ・フィティに返すために、環礁の外に筏を漕ぎ出す。

南の島に暮らす民が失われた航海術、島の民のアイデンティティを取り戻す物語だと思った。
物語の下地に様々な伝説が組み込まれており、とてもしっかりした話となっている。
CGによる海の表現も素晴らしい。
祖母の化身のマンタが現れるシーンでは、思わず涙が溢れてしまった。
「愛が全て」で終わらせない、もう1本柱となるストーリーがちゃんとある、大人が観ても楽しめるアニメ映画だった。
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