ゆみモン

いしゃ先生のゆみモンのネタバレレビュー・内容・結末

いしゃ先生(2015年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

僻地の無医村で自分の生涯を捧げた女医……ストーリーだけを見れば、ありがちなヒューマンドラマと思えるだろう。しかし、それが実在の(しかも戦前戦後期の)人物の話だと思うと、凄いとしか言えない。

自分の恋人との未来を諦めて、故郷の無医村で生涯独身を通して働く…。言葉にするのは簡単だが、周子にとっても一度きりの人生だったのだ。
しかし、後に周子の活動が認められて表彰される時に、その授賞式にかつての恋人が百合の花束を持って来てくれたのが、せめてもの救いだった。元恋人も、周子が自分を裏切った訳ではないとわかっていたのだろう。
しかし、食道がんで51歳の生涯とは短過ぎる。まだまだ村のために尽くしたかったろうに。国民皆保険制度ができたのを見届けるように…というのも出来過ぎだが切ない。