赤虫

トイレのピエタの赤虫のネタバレレビュー・内容・結末

トイレのピエタ(2015年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

観るのは二度目です。
この映画を初めて観た時、自分は引きこもりでした。主題歌のピクニックの歌詞ある『通り雨に助けてもらった』に、日中隠れるようにカーテンを閉めても漏れる日差しが嫌で、雨の日は光もあまり入らず外の音も雨にかき消されて心が安まっていた自分とを合わせて強く共感していました。

ここから感想

前半、主人公園田は絵を描くことをやめちゃったけど、絶対好きじゃん!窓拭きやってるのキャンバスに描くのと似てるからじゃん!って思いながら観てました。
好きなことができなくなるのって結構な割合の人いて『好きなことで生きていく』が嘲笑されたり僻まれたりするくらいにはみんな好きなことができていないんだなぁ...と。自分も〜がしたい!時間もある!金もそこそこある!...でもしない。何故か。
そんな主人公が最期に生きてる感じがした、本当にやりたかったことは"絵を描くことだった"
人間は自分でやらない、やれないを作ってしまっている。それを取り払ってくれたのがヒロインの真衣だった。プールで金魚と真衣が泳ぐシーン、二回目で気付いた『園田最初プール入らないのか!』あれは踏み出せないでいる園田の行動そのものでした。誰かがエイヤと押してくれてたら...そんな転機が自分の中にも何度あったことか。

色々あるけどやりたいことして死ねるといいね。が作品としてのメッセージだと解釈しました。

今は病んでないし、やりたいことはやれてないけど...通り雨に助けてもらっないし、なんなら嫌いだし。生きてるって感じは前よりはあるので初回のように涙はしませんでしたが、少し前の自分を思い出して感傷的になって呑んだ酒が美味かったので⭐︎4に干した酒×0.1をプラスしての評価4.3です。

QOLが今の倍くらいにやってやりたいことやれてます(キラーん)って日がもし来たらまた観たいと思います。
赤虫

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