マッツリー

チャッピーのマッツリーのレビュー・感想・評価

チャッピー(2015年製作の映画)
5.0
もう最高!今年のベスト3に入るのは間違いなさそうな、出色の出来。
ニールブロムカンプ監督は処女作の『第9地区』でど肝を抜いたが、2作目の『エリジウム』で、正直期待に応えると言うより、ハリウッドシステムに取り込まれて凡庸な出来に陥っていた。
そして3本目の本作。見事に自由で予想不可能な展開力を取り戻した。
物語の初期設定と、ラストで迎える状況の予測不可能度はまさに第9地区的。
ヨハネスブルグを使い、ロボットを使用したカメラワークなんかも独特の斜め上から撮ってミサイル撃つ、みたいな得意技満載で、
観ていてオタク愛に溢れていて心地よい。
とにかくこの監督はあり得ないものへの感情移入を実現させるのが得意で、第9地区ではエイリアンに、本作ではロボットにがっつり感情移入させてくれる。
過剰にメローに演出することなしに、ちゃんと人間ドラマを描けているのは、脚本にちゃんと心が翻弄されている証拠だなと思い、
ずっと「どうなるの?この先どうなるの?」と思わせてくれた、幸せな映画体験をくれた作品でした。
マッツリー

マッツリー