Ryo

トイ・ストーリー4のRyoのレビュー・感想・評価

トイ・ストーリー4(2019年製作の映画)
3.9
「子供は毎日のようにおもちゃを無くす」

子供が成長するとおもちゃ(親)の役目は終わる

父親のいないアンディの父親代わりとして見守ってきたウッディ。
アンディは大人になり生きる意味を失ったウッディの物語であり作者はこれが本当は描きたかったのだなと感じる。


■おもちゃ達も歳をとる
おもちゃの世界も新しいのが出てきたり、古びたりしていく。
フォーキーがいうように用が済んだら捨てられゴミになるんだ。それを否定するかのようにウッディはフォーキーを助けていきます。

■過去に囚われたウッディ
ウッディにとってアンディの幼かった頃は昨日のように短くておいぼれても次はボニーの為に子供を喜ばす仕事があると意気込んでいる。自由になったボーピープのいうように子供はおもちゃを無くしいずれ必要なくなるという忠告を聞かずにこれしかやることがないんだと子供の為に必死になっています。
バズが1で宇宙飛行士なんだと信じていたようにウッディもここで保安官なんだ、子供のためのおもちゃなんだと信じています。それはボニーの為にという理由で自己満足のためにやっている悲しさでもあります。

■今回の敵ガビガビ
今回の敵はウッディと同じ年ぐらいに発売されたであろう女の子のお人形です。声の出る機械を新しいものにすればまた女の子に遊んでもらえるおもちゃになれると意気込んでいます。ここは何がジェーンに起こったかや、サンセット大通りから着想を得ている可能性があります。
何がジェーンに起こったかは昔少女でスターだった主人公がおばあちゃんになっても心は少女のままでまたスターとしてカムバックできると信じています。
サンセット大通りは元スターだった主人公が歳を取りハリウッドから呼ばれなくなってしまう。しかしいいシナリオさえあればまたスターとしてカムバックできると信じている人の話です。その中ではこの元スターに仕えていた運転手が未だに仕えています。トイストーリーのなかのガビガビに仕えてる腹話術の人形はこの運転手と重なります。

■ウッディはこれからどうするのか
ウッディはラスト近く、ガビガビにスポットライト(街灯)を浴びさせ一世一代の勝負に出させました。舞台に立てなかったおもちゃ達を立たせ子供に好かれるように。自分の子供に執着してたウッディは新たな使命を見つけたのです。
だからアンティークショップの名前はセカンドチャンス。第二の人生なのです。
親というのは子供が自立したら次は自分のその後の人生を見つける番なのです。

子供との関係は無限ではない。子供は自分の人生を歩む。だからウッディはラスト、ウッディ自身の役割を見つけ去っていくのです。

■父親代わりのウッディ
製作者の1人がインタビューでアンディの父親はトイストーリー内の時代の少し前に亡くなっていると言っています。ウッディは父親の代で新品で買われファミリートイとして息子に受け継がれたのです。だから1ではウッディの目線カメラがあり、アンディの成長を見守っていくのです。
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