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トイ・ストーリー4のtubure400のレビュー・感想・評価

トイ・ストーリー4(2019年製作の映画)
1.9
『トイ・ストーリー 3』がすごく良かっただけに期待大で見たけれど、これはひどい。『モンスターズ・ユニバーシティ』を見た時と同じような気持ちになった。それというのは、本来魅力的であったはずのキャラクターたちが、なんだか丁寧さを欠いたプロットのために、操り人形のように動かされているのをただ見ているしかないような感覚。これまでのストーリーとは明確に断絶があるにも関わらず、パッ見と、声は一緒という悪夢。

『トイ・ストーリー』を観るたびに、なぜ自分がおもちゃであることに疑問を抱いて、一線を越えて(人間の見ている前で)動き回ったり、普通の人間のように自分勝手に生きていこうとするキャラクターが出てこないのか、と思っていたけれど、『4』を見た今はわかる。それは物語がクリエイティビティに満ちたものになるための制約のようなものだったのだろう。本作ではその制約が(条件付きで)解除されて、緊張感がない。自分がゴミであると信じて疑わず自殺願望のあるキャラクターも、自由に生きる強い女性を体現するべく完全に以前とキャラクターが変化したボーも、ちょっと、現代的でしょ?とウインクされているような不快感が残る。所ジョージが番宣で「今回は…うまくいえないけど、なんか今までと違うんだよな〜」と言っていたのが頷ける、やり場のない寂しさが残る一作だった。
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