しゃり

トイ・ストーリー4のしゃりのネタバレレビュー・内容・結末

トイ・ストーリー4(2019年製作の映画)
4.9

このレビューはネタバレを含みます

ディズニーはきっと万人がハッピーエンドだと感じる大正解の安定ラストなんだろうとなめてた。
本当になめてました。

この素晴らしく覚悟のいるであろうラストを用意してくれた製作陣に、心からの敬意が込み上げます。

幼少期にトイストーリー1.2をみて、大人になってから3.4を観た私には、
もはやディズニー作品はおとぎ話じゃないんだなと悟るに十分でした。
シリーズ3でいつのまにかいなくなっていたボー、その不在と、かけがえのないアンディとの別れが描かれて、どうしようもなく容赦のない「時」を感じて悲しかったけど
そこでの救いはtoys「みんなと一緒」「新しい優しい持ち主」であることへの希望だった。

でも、それらの悲しみはやはりウッディにとっての「虚」、ポッカリに空いた心の「穴」として、4で大きく前景化してくる…。
そして「みんな」からも「ボニー」からも離れていく…。回収されていた感じがした。

「俺にはこれしかないんだ」。
自分は必要とされていないと感じる恐ろしさ、寂しさ、惨めさ。それを必死でかき消すようにフォーキーの世話をするウッディー。
自分も周りも見失いそうになりながら日々を過ごす中で、再開したボーの、なんと逞しいことか。

まさに現代的だとされる女性像。自立していて頼もしく、美しい(この女性像を新旧で片付けてしまうと、まるで家庭的・男性追随型の非活動的な大人しい女性は怠けているかのように捉えられるのも違うと思うから言い方が難しいが)。

「内なる声を聴け」というセリフは大切なキーワードでしたね。
自分の心に穴が空いたままじゃ、大切な友達だって置き去りにしてしまう。誰といれば埋まるのか。
目の前にいる仲間との絆。多分もう二度と会えないアンディの面影、幸せな思い出。
そこで「動かず、待ってたって何も変わらない」か。

自分にとってかけがえのない大切なものを、鎖ではなく、翼にしていく勇気!
時に悲しい結末として周りには映るのかもしれないけれど、それはきっと違うんだろう。
しゃり

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