黒

トイ・ストーリー4の黒のネタバレレビュー・内容・結末

トイ・ストーリー4(2019年製作の映画)
2.1

このレビューはネタバレを含みます

もしもこれが既存作品の続編ではなく完全な新作として出た作品ならとても面白くて良い作品だったと称賛できたと思います。
でもこれはトイストーリーで、3の続編として出たものなのでこの評価です。

率直に感想を言うと、「こんなウッディは見たくなかった」「断腸の思いで父親の形見であるウッディを「大切にしてほしい」と願いながら譲ったアンディを思うと辛すぎる」です。
ボニーのことについて語るには、どうしても3のラストに触れなくてはいけません。
ボニーはウッディが気に入らなかったのではなく、3の時点ではウッディを気に入っていて、3ではアンディ不在時に楽しく遊んでくれてもいました。そして最後におもちゃたちを譲るシーンでウッディも欲しがっていたのです。アンディはそれを見て当初は譲るつもりがなかったウッディを譲ります。
ウッディは今までの仲間たちとともに残ることになって長年の相棒アンディとお別れをし、物語は幕を閉じました。
ファンも「ボニーは第二のアンディとなりこれからもずっとウッディたちを大切にしてくれるのだろう」と納得し、切ないながらもめでたしめでたし。

ところが。4でそんなファンを待ち受けていたのは期待を裏切るあまりにも残酷な展開。ウッディはちっとも大切にされてませんでした。ボニーのお気に入りになれなかったウッディは存在意義についてまで思い悩み、最後はボーとともにあんなに大切に思っていた仲間たちの元を離れる決断までしてしまいます。
年月を経てもちゃんと動くほどに大切にされてきたウッディの背中のボイスボックスも別の壊れたおもちゃに譲ってしまったことで、「元の状態」ではなくなりもうアンディの元にも帰れません。ウッディがそれでよくてもどうしてもアンディのことを思わずにいられません。

もしも今の大事にしてもらえなかったボロボロなウッディをアンディが目にしてしまったら。「やっぱり譲らなければよかった」と後悔し悲しんでしまうのではと思うと胸が張り裂けそうな気持ちになります。
かなり堪えました。なんせ、あんなにきれいに終えた3のラストのアンディの選択を全否定されたようなものですから。

挙句ボーがバディになったことでラストの第二の相棒バズとのコンビ解散。
こちらも20年余りウッディとバズのタッグが大好きだった私にはあまりにも酷でした。
生き方の多様性を描くのも素敵だと思います。しかしここまで綺麗に築き上げてきたものをすべて壊してまでやらなければならないことだったのか。公開から三年経った今でもずっと疑問です。
黒

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