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トイ・ストーリー4のKのネタバレレビュー・内容・結末

トイ・ストーリー4(2019年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

子どもを喜ばせる第一線を退いたウッディのお話。

3鑑賞時から気になっていたボーの行く末が描かれててよかった。

今までと違うのはいくつもありますが、僕が特に変わったなぁと思うのは、悪役の描き方と、それに伴って「持ち主が居ないおもちゃ」に対する視点の変り具合が、よく描けていて、素晴らしい!と思いました。

今までの悪役はおもちゃを壊す人間、おもちゃを展示する事に人生を見出したおもちゃ、捨てられた"かわいそうな"社会主義のおもちゃでした。

では今回は、「初期不良があったけど子どもに遊ばれる事に夢見るおもちゃ」で
悪役っぽくないキャラクターギャビーギャビー。
ギャビーギャビーは、子どもを純粋に求めてるだけで、その根底はウッディと変わらない心情ですよね。
ちゃんとバックストーリーも示されて、その顛末まで描いてくれます。
こんなに応援したくなる悪役はトイストーリー史上初めてですね。あるシーンで視聴者は「行け!ギャビーギャビー可愛がられろー!」とフォーキーとウッディと共に見守ってしまいますね。

この映画では、持ち主が居ないおもちゃを「迷子」と称します。
おもちゃ=持ち主の子どもがいる という前提条件があるわけです。

ただ今回ウッディが体験するのは、迷子じゃない場合のおもちゃという可能性でしたね。
今までは子どもに捨てられること(あるいは忘れられること)を恐ろしいこと、可哀想なこととして描いていましたが、今回は寧ろ自立してこそ新しい人生が開けるというお話になっていました。
子どもが居なくても生きていて良いんだというストーリー。
だから最後に「ウッディは迷子になったの?」という問いに、バスが「もう違う」と答えるんですね。

バズとウッディのバディも、ついに解消となったのか。これまた熟年離婚のようで、少し寂しいですね。
2のラストでは確か「その時も俺の隣には相棒のバズが居る」と言っていただけに。なんと切ない諸行無常感。
なのに抵抗なく受け入れられたのは、作品が素晴らしいからなのか、僕が歳を取ったからなのか、、、。
K

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