『トイストーリー』としてのテーマは1~3できれいに完結しているので、4はやや変則的な物語になった。テーマも持ち主とおもちゃの関係性から、よりおもちゃに主眼を置いたものになっている。
使い捨てスプーンからおもちゃになったフォーキーはメインキャラを張っているが単調なキャラクター。それに伴ってウッディをはじめとする従来のキャラクターが置いてけぼりになっている感は否めない。脚本もシンプル・王道なものからアメリカの脚本主義が強くなっており、「トラブルの連続」、「序盤と終盤で泣いている女の子の対比」、「意外な決断をするラスト」など脚本家の意図が透けて見えるシーンが多くあったのが残念だった。
ただ楽しめないかと言われるとそれは別の話で、ほとんど実写と見紛うまでに進化したCG背景の中をおもちゃたちが自在に飛び回るシーンは単純に面白い。子供は映像美を観て楽しめるだろうし、大人は古くなったおもちゃとしてのウッディたちの奮闘を固唾を呑んで見守ることが出来ると思う。