やかじょ

二重生活のやかじょのネタバレレビュー・内容・結末

二重生活(2012年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

これはあらすじも読まないで観た方が楽しめるな。

めっちゃゲスの極み乙女。やん...
と思ったけど、人間的なクズさと同時に国が推し進めた政策の悲劇でもあるのだろうと思う。
2つの所帯を持ち、それでも満たされない男の欲ってなんなんでしょうね。
最近よく夫としては最悪だけど、父親としては良き父だったとつぶやく人を見かけるのだけど、正しくそんな感じ。
パートナーとしてともに家庭を築いて継続していく能力と子供を慈しみ育てる能力は別物なのでしょうね。
正妻と愛人の子供を同じ幼稚園に通わせるのとか頭おかしいだろ。
リスク高すぎる。

サスペンス仕立てで特に最初の方はよく分からなくてワクワクする。
けど途中からあまりサスペンスの要素は重要ではなくなり、女の子について元彼以外の誰もが丁重に扱っておらず、少し悲しい気持ちに。
とはいえ、私自身も妻目線で、若いだけで特別かわいいわけでもない浮気相手に対して何故こんな子にという気持ちのが強かった。

音楽の使い方が良くて、クラシックとサスペンス(ドキドキするシーン)の組み合わせはもうそれほど新しいものではないけれど、それでも最初の第9とかは特に良かったな。

最後は男が何もかも失う展開ではなく、がっかり、した。
会社と正妻と娘を失うも、愛人と息子とは今まで以上に家族となれた。
妻同士の話し合いの結果、妻には会社を愛人には妻のポジションをってか。
でも夫は時々虚空を見つめ、元妻や娘を思っているだろうことを考えると、一緒にいる間だけは自分たちのことだけを考えてくれた愛人時代よりも孤独を感じたりするだろう。
共犯者になれば、もう離れられない、そんな歌があったことを思い出す。
勝者は愛人のように思えたけど、実際は誰も勝者がいないゲームだったのでしょうね。