垂直落下式サミング

呪い襲い殺すの垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

呪い襲い殺す(2014年製作の映画)
2.8
物騒な言葉を三つ並べた変な邦題とは裏腹に、なかなか正統派なオカルトホラー作品だった。
ウィジャボードとは降霊術に使用する道具で、こっくりさんやエンジェルさんと同じ類いのぬ~べ~案件だ。
私がウィジャ盤というものを知ったのは、これまたジャンプ漫画の『遊戯王』バトルシティ編にてバクラが使用したオカルトコンボだった。これは死のメッセージカードD・E・A・T・Hを順番に場に出し「DEATH(死)」の文字が揃った時点でゲームに勝利するというもので、ゲームの基本ルールに基づかない勝利法としてエグゾディアに次いで有名なカードだろう。海外では子供向けホビーで宗教的な表現や死と暴力を連想させる表記はご法度なため、米版では「FINAL」に修正されている。

映画のストーリーは、主人公レインは幼馴染デビーの自殺を不審に感じ、彼女の形見のウィジャ・ボードを使ってデビーの霊を降霊させ話をしようとする。ところが、一緒にウィジャ・ボードを行った友人たちが次々と謎の出来事に見舞われ、呼び寄せた霊がデビーではないと気づく。そしてこの死の連鎖に、ある呪われた事象が関与していることが判明するのだ。
レインの妹が実はお姉ちゃん大好きな甘えた半グレキャラというのも非常に萌えるのですが、やはり主演の女の子の可愛さと主人公性が際立つ。丸い瞳に鼻筋の通った容姿が凛々しくもキュート。サイドに分けた前髪の隙間から覗く丸いおでこから聡明さも垣間見せる。表情豊かな顔立ちで観客に様々な面をみせ、一目で物語の中心人物だとわかるだろう。
しかしながら、映画としては誰も面白い死に方をしてくれなかったのに不満が残る。糸楊枝で口を縫い付けられちゃう場面なんかは絵としてはインパクト大なのに、縫われた口元を見せたあとすぐに死んでしまうので呪い発動シーンとしては何も面白くない。物語としての謎解きも冗長だし、お化け登場シーンの溜めが上手くないのであんま怖くない。