バナバナ

幕が上がるのバナバナのレビュー・感想・評価

幕が上がる(2015年製作の映画)
3.5
演劇部が舞台の話ですが、内容的には『櫻の園』より地味です。
しかし出てくる子たちが、女子の「あるある」キャラクターで構成されているので、内容的には映画的な派手さはありませんが、リアルだと思いました。

例えば、この演劇部の中で実力ナンバー1のしおりんは、親友であり部長の夏菜子ちゃんが、他校の演劇部で目立っていた転校生の杏果ちゃんを入部させたら、ムッとしてしまいます。
演劇部に限らず、女子グループの小さな世界の中で、普段から自分が一番だと思っている子程、少しでもないがしろにされたと感じたら、急に友達だった子を無視したり、仲間外れにしたりしがちです。

また、明るい子にいつも付いていっている2番手の子(この作品では夏菜子ちゃん)は、意外と冷静に周りを見て、色々な事を考えている子だったり…。
女子のグループの、こういう無意識なキャラクター分けが、よく描けているなと思いました。
私はモモクロの中では、杏果ちゃんが好きなのですが、実力があるのにいつも端っこに居がちな彼女が、結構良い役をもらえていたので、嬉しかったです。

あと、顧問の黒木華さんが演じる吉岡先生。
黒木華さんといえば、映画では大人しく、物静かな女性の役しか見たことがないので、こんな生命観溢れる力強いタイプの役をしているところを初めて見ました。
黒木さんは元々舞台出身ですし、演劇に対する情熱は、吉岡先生と重なるところがあるのかもしれませんね。

自分も高校時代は女子ばっかりの文化系のクラブだったので、当時を思い出しました。
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