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幕が上がるのodyssのレビュー・感想・評価

幕が上がる(2015年製作の映画)
3.3
【悪くないが細部の練りが不足】

高校演劇部のお話。主役として出ている面々はアイドルグループのメンバーだそうですが、私はこのグループの存在を全然知らなかったし、そのメンバーも見たことがなかったので、いわば白紙状態で鑑賞しました。

青春映画としてまあまあ面白いんじゃないでしょうか。要するに女の子たちのお話なんで、私は女の子の話は、基本、好きですから(笑)。

ただ、細かいことを言うと、細部があんまり練られていないなと思いました。

まず、新入生勧誘の場面。『ロミオとジュリエット』の一部分をやるけれど、全然受けなかったわけですよね。だけど、その後の展開を見ると1年生も多少は入っているみたい。その辺の描写(1年生が入部してくるという)が全然ないのはおかしいのではないか。また、勧誘で失敗しているのに1年生が入ってくるなら、それなりの事情(1年生の側の個別的事情でもいい)が盛り込まれていないとね。

それから、演劇の名門校から転校してきた女子生徒を誘うところですけど。彼女がなぜ名門校を去ってこちらへ来たかというと、演劇を続けられない事情があったからですよね。ところがこちらに転校してからまた演劇をやるという筋書きになっている。前の学校で演劇をやめた事情はどうなったのか。事情が改善された、という描写はないのですから、あちらでは演劇を続けられないけどこちらではできる、というのは変。或いはこちらの演劇部がよほどレベルが低いからなのか。脇役ならいざしらず、彼女は主役2人のうちの1人に抜擢されるんですから。そんなにレベルが低い演劇部なら、その後の展開はおかしいということになる。

作中には練習の過程でセリフを練り直していくシーンがありますが、こういうシーンがもっと欲しいですね。練習の場面でも、セリフのしゃべり方だとか、演技の仕方について、指導教師(黒木華)がもっとバシバシ鍛えるシーンがないと、本当の意味での演劇映画にはならない。みんなで頑張ったね、という雰囲気だけじゃいけないのです。その辺に物足りなさが残る映画だったかな。

それから、舞台は静岡県らしいんだけど、作中、茨城県と明らかに分かるシーンがありました。色々な場所で撮影したからでしょうけれど、富士山が何度も映されているのは明らかに「ここは静岡県だよ」ということでしょうから、いささか不注意ではないでしょうか。