あるぱか

幕が上がるのあるぱかのネタバレレビュー・内容・結末

幕が上がる(2015年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

しおりんがひたすら可愛いスタイル良い。
全体的には黒木華に支えられた映画。
無理な話なのだろうが作品としては百田・玉井・有安の話だけに集約した方が良かった。5人を無理に描こうとするから大事な部分がおざなりになっている気がする。

サマータイムマシンブルースを踏襲したウィンタータイヤマシンブルースからのムロツヨシは笑った。
ピアノを弾き終わり一瞬で家を後にする弟。音のつながりも良く、家族関係(主に母親の人柄と主人公の立ち位置)が良く分かる良い演出。
脚本が書けなくてトリップするシーン。映画の中で度々見受けるが、トリップが過ぎるというか、ついていけない。こういう時の良いバランスはどんな具合なのか。
仲の悪かった2人が「あいつ」で通じ合う。言葉の魔法を感じた。綺麗。

「私たちは舞台の上でならどこにでも行ける。でも私たちはどこにもたどり着けないっていうか、私たちが歩いた分だけ、いいや、私たちより何倍も何十倍も早く、宇宙とか世界は広がっていって、どんなに遠くに来たつもりでもそこはやっぱりどこでもないどこかでしかないんだなって。たどり着けないんだ、宇宙の果てには。それが不安ってことなんだなって」
この台詞にこの映画の全てが凝縮されている。漠然とした先を見据えなければならない高校生の等身大の葛藤が描かれてる。
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