天カス

ナイトクローラーの天カスのネタバレレビュー・内容・結末

ナイトクローラー(2014年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

面白かった。
主人公の男の人格がどうしてこうなってしまったのか、映画より以前の彼の生い立ちがとても気になった。「もっと人となりを描くべき」ということではなく、興味をひかれる人物像がよく描かれているなと思った。

以下印象的なところを羅列する。
・終盤、彼の撮った倫理的に史上最高に最悪な映像を見てうっとりするテレビ局の女性とのシーン、何もかもが最悪最低で頭おかしくなりそうだった。

・個人的には助手として雇った(というか捨て駒として利用している)青年に「もっと人の気持ちを考えろ。見方が歪んでる。お前の問題は人間を理解してないところだ」と言われるシーンで吹き出した。なんてこと言うんや。その通りや。
これ以上ないど直球どストレートで眩し過ぎるほどのど正論なんだけど、なんだけど、ただただ正しいが故にこの主人公には全くもって通用しない。寧ろ爆弾に火を点けてしまったようにしか思えないけどしかし画面内の主人公は顔色ひとつ変えない。悪魔と車内にふたりきり。車内の湿度や静けさ、胸の高鳴りを想像してこわー!っとなった。

・カーチェイスのシーンは最高だった。ツッコミ役?の助手の彼が居るおかげで痛快さを感じさせる。

・何より!冒頭の夜の街のカットの連続が素晴らしかった。一枚一枚ポストカードにしてコレクションしたいと思うくらいよかったのに映画内の出来事が最悪で、この素晴らしい街のなかにあの悪魔が生きているのかと複雑な気持ちになった。そういう意味では主人公の撮る映像と重なる。
天カス

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