ジョン・レノンからの手紙を約40年越しに受け取った実在のミュージシャンの実話を「ほんのちょっとだけ」ベースにしてるので、恐らくモチーフくらいの感じでしょうね
なので、家族の再生はそつなくフィクション風に展開されるんですけど、「裕福になるのは良い事なのか?」っていうジョン・レノンの手紙の内容にリンクされたテーマが一貫してるし、アル・パチーノのやさぐれ加減も勿論お見事♪
自分を堕落させるのはお金ではなく
自分自身
お金持ちになっても
考え方も人間関係も変わらないはずだから
と、ジョン・レノンは考えていたんですね
でも、考え方も人間関係も変わってしまった主人公は、若いころに恐れていた「成功への代償」がそのまま現実になってしまった自分を、ドラッグと酒でごまかしながらなんとか歌ってきたけれど、時空を超えた手紙を目の前にして、「今の自分にはお金しかない」ことに気付くのですね
ジョン・レノンが教えてくれた生き方と、真逆の人生を歩んでしまった・・・
「あの時手紙を受け取っていれば、違う人生があったのかも」というちょっとしたほろ苦さが充満するのは、アル・パチーノの成せる技
これは、お金と人間の真面目な話
孫の学校のエピソードとか、まんま「お金持ちはええな〜」っていうエピソードでしかないんですけど、今までと違うお金の使い方によって、再生されてゆく家族の絆を描くことは、堕落させていた自分自身との決別でもあるんですね
あんなちっちゃいカバン一つの割に、衣装たくさん持ってるね〜とか思ったけどw、ベストアルバム発売の大きな看板の時と同じスーツで再出発を迎えるのとか、小さな気配りも効いてた☆
パチーノの哀愁加減は、デニーロとはまた違う趣がありますな♪
で、デニーロと言えば、家族の再生モノに『みんな元気』っていう良作があります
個人的にはアッチの方が泣けた♩