マクガフィン

ジャスティス・リーグのマクガフィンのレビュー・感想・評価

ジャスティス・リーグ(2017年製作の映画)
3.2
DCコミックスのヒーローが集結し、チームで敵に立ち向かおうとする姿を活写する物語。

巨大な敵を駆逐するために仲間を招集するという、王道の勧善懲悪のシンプルなプロットはダークでシリアスなトーンで展開するが、これまでのダーク路線を軌道修正する傾向が垣間見れる。

初登場の新ヒーローたちの単独映画が決定しているので、前半は未完成な超人たちがチームを経て成長する過程の中に、それぞれのキャラの特徴を引き立たてる展開を盛り込むので、どうしてもテンポは良くなく、せっかく新旧キャラを集結したのにチームの限界をチートキャラの早速復活で補うことは如何なものか。
しかし、たいていの問題はチートキャラ一人で解決できると思いつつも、偉大さを象徴するような赤いマントが緩やかになびく後姿の佇まいの美しさに見惚れる。

ワンダーウーマンのキャラが際立ち、バットマンの哀愁は悲しくなる。
新キャラの中ではフラッシュがコミカルで軽妙で良く、今作のダークなトーンを中和するキャラはDCのマンネリ打破になり、可変速度効果を駆使した疾走感と画力がある動作と背伸び感やコミュ障の性格が相まって、単独でもスパイダーマンのようにコミカルなアクション映画が期待できる。

また、アクアマンの古典的な威勢を誇示するような野獣キャラは好みでないが、水中での泳ぎは美しく海底と地上で生存する能力を活かした映画が期待できるのだが、無駄に体が大きいサイボーグのキャラ確立がイマイチで心配に。アメコミは筋肉が大好きなことを再確認。

1作品中に沢山のヒーローが登場することを素直に楽しむべき映画で、これまでのキャラの現時点での設定確認と新ヒーローのお披露目的なもどかしさはあるが、次作以降の期待がもてる纏めた仕上がりにはなっており、軌道修正しつつある方向性も間違っていないのでは。