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ジャスティス・リーグのsiaのネタバレレビュー・内容・結末

ジャスティス・リーグ(2017年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

悪くはない!けどもったいない!

DC映画のヒーローたちがついに大集結……のはずなんだけど、そのうち半分は初めて見るキャラクターなんですよね。

先に顔見せしておいて後から掘り下げていく手法がダメってわけじゃないんだけど、どうしてもキャラクターの紹介に尺を持っていかれてしまうのが難点です。

その中で、フラッシュはなかなか好きになれるキャラクターでした。
ややMCUっぽいノリではあるんだけど、これまでのDCにはなかった明るくて楽しいヒーローが見れて良かったです。
ドストエフスキー!

ただ、サイボーグとアクアマンに関しては少なくともこの作品だけで好きになるところまではいけませんでした。

ていうかアクアマンって水中で本領を発揮する能力だろうに、今作では地上での戦闘ばっかりなんですよ。
だから戦闘スタイルが単純な殴る蹴るになっちゃってあまり他のヒーローと差別化できてない感じがしました。

そして、この映画でとにかく最悪なのがヴィランです。
今回の敵であるステッペンウルフは全身がCGでできたポッと出の悪役で、理由はよくわかりませんが世界を支配したがっています。
この敵が本当に終始つまらないです。中身のないありふれたセリフしか話さないし、戦い方に特色もなくて個性皆無です。

ヒーローが集まる映画である以上、ヴィランの描写にあまり時間をかけられないのは分かります。
『アベンジャーズ』の一作目でも相手にするのは個性のない宇宙人の軍団でした。
でも『アベンジャーズ』では時間の限られた中で悪役に興味を持たせるために、ロキを再び登場させるという方法でこの問題をクリアーしていました。

やっぱり敵に魅力がないとヒーローの戦いにも盛り上がりが生まれないんですよね。
DCってたくさん良いヴィランがいるだろうし、ここはもったいぶらずもっとインパクトのある敵を持ってきてほしかったな。

でも、良くなった要素もたくさんありました。個人的にこの映画で一番良かったのが、スーパーマンを好きになれたことです。

これまでスーパーマンって言動がなんだか他人事っぽかったりぐだぐだ悩んだりしててあまり感情移入できないキャラクターでした。
でも今作では彼の境遇に同情できたし、一度死んで吹っ切れたのか結構ジョークを交えた台詞もあったりして親しみが持てました。
短いシーンなんだけど冒頭のビデオ映像はグッと来ちゃう。

そしてなにより彼本来の最強っぷりが十分に堪能できて満足。
ここはMCUと明確に違う点で、DCEUでは他のヒーローと比べてもスーパーマンがずば抜けて強いのが面白いです。
フラッシュのスピードにすら余裕でついてきちゃうところなんてほんと最高。
でもこれからの話づくりが難しそうだな……。

今作は製作過程でイレギュラーなトラブルがあったということもあり、様々な制約がある中である程度まとめてくれたというのは評価したいポイントです。
ヒーローたちはこれからどんどん掘り下げられていくでしょうし、ヴィランに関してもまだまだブラッシュアップの余地が残されています。
DCEUの今後にぜひ長い目で期待したいところです。
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