真一

エクス・マキナの真一のレビュー・感想・評価

エクス・マキナ(2015年製作の映画)
4.4
このAI美少女👧は「心」を
持っているのだろうか―。

こう考えながら見ていたら、
次の質問が浮かんだ。

「心」♥️を持ったAI🤖って
人間🚶‍♂️と同等というか
もはや人間🚶‍♂️では?

「心」って何だろう?
一体「人間」って何?

このSF映画、
思い切り哲学しています。
やばいです。面白いです。
そして恐らく、
見る人によって、受け取る
メッセージが違ってくる。

僕は、エヴァが「心」♥️すなわち
自我を獲得した、と受け止めた。

最大のポイントは、
主人公のケイレブがエヴァに伝えた
「メアリーの部屋」の逸話だ。

色が全くない白黒⚪⚫の
実験室で暮らすメアリーという
架空の女性👩を題材にした、
思考実験用のたとえ話。
フランス🇫🇷の哲学者が実際に
提起した寓話らしい。

メアリーは、
人類が獲得した物理学の
知識を全て備えている
という設定。
青や赤といった色も、
数式🖥️を用いて
完璧に理解している。
そのメアリーが初めて外出した。

広がる青空🌞。
揺れる緑の木々🌳。
豊かに実る赤いリンゴ🍎。

さて、メアリーは外の世界に
触れて、大切な何かを学んだ
のだろうか。
それとも、
脳🧠に蓄積された情報と
知識を上書きせざるを得なく
なるような「何か」は
学べなかったのだろうか。

ネットで調べてみたら、
メアリーの部屋は実際に、
自然科学と人文科学の双方で
議論されているという。
もし青空🌞、緑の木々🌳、
赤いリンゴ🍎から、
メアリーが新たな「何か」、
大切な「何か」を得たとすれば、
それは、この世界に1人しかいない
メアリーの感受性、すなわち心が
働いたことになる、と
理解されているようだ。
 
ケイレブはエヴァに言う。
「アンドロイド🤖ーは、
白黒⚪⚫の部屋にいるメアリー。
人間🚶‍♂️は、外の世界を
知るメアリーだ」

※ここからネタバレ要素あり

真剣な眼差しで学習するエヴァ。
その時、エヴァの思考空間に
大自然🏔️に抱かれる
自分の姿が浮かぶ。
外出を「希望」し、
大自然に抱かれた
自分を「想像」する
という能力を得た瞬間だった。

エヴァを制作したネイサンは
最後の場面で、
エヴァの行動について
「俺が全てプログラムした。
エヴァに『ここから逃げ出せ』と
命じてある。だからエヴァは
君の同情を誘おうと色仕掛けした」
と振り返る。でも、これは嘘で、
つじつま合わせの後講釈と感じた。

そうでなければ、エヴァが誰からの
指示も受けずに描いたケイレブの
似顔絵を、ネイサンが破り捨てる
理由を説明できなくなる。
 

ラストの場面で反乱を起こした
エヴァが外の世界に踏み出し、
輝く太陽と青空を見上げる
シーンが美しい。
人類が神の領域に手を突っ込み、
滅亡へのカウントダウンが
始まった瞬間と受け止める人も
いるだろう。

一方で、私たち旧人類の時代から
AIという新人類の時代へ
歴史が進化した瞬間と
受け止める人もいるだろう。

いずれにせよ、近い将来、
私たちはこうした現実を
目の当たりにすることになる
のは間違いない。
どうしたらいいのか。
答えは見当たらない。

この映画、大好物すぎます🍴🙏
これから何回も見ます\(^-^)/
真一

真一