紅孔雀

エクス・マキナの紅孔雀のレビュー・感想・評価

エクス・マキナ(2015年製作の映画)
4.0
そのスケルトン姿に魅せられ、劇場で観たいと思っていたものを、今回ようやくWowowで鑑賞。ただ、予想に反し、時に寝落ちしてしまったのが、我ながら情け無い。
ノルウェーで撮影された、という自然の中の前衛的建造物が美しく、アンドロイド・エヴァの造形と相まって、この監督の美意識に圧倒されました。またアリシア・ヴィキャンデル(旦那はマイケル・ファスベンダーなんですな)の静謐なエロスも特筆もので、チューリング・テスト、オッペンハイマーの名言など衒学趣味が鏤(ちりば)められているのも嬉しい限り。特に、主人公ケイレブの勤める検索会社の名が『ブルーブック』なのは、かの天才哲学者ヴィトゲンシュタインの講義録『青色本』に因んでいるのでは、と勝手に想像してコーフンしました。
それでも寝落ちしたのは、エンディングが割と想定内だったからでしょうか。AIと人間の対決、という些か陳腐な図式に収斂した気がしました。途中まで全編に横溢していた“エロス”を突破口に、人間と人工知能が紡ぐ未体験の世界を見たかったです。
どうも舌足らずですいません。続編があるようなので(←ここ、勘違いデス。コメントを参照ください)、そこで纏まらぬ感想を整理できれば、と思っています。
紅孔雀

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